【苔の育て方 その3】苔はどんなタイミングで育てればいいのか?

【苔の育て方 その3】として、”苔はどんなタイミングで育てればいいのか?”というポイントを見ていきましょう。苔を育てようと思い立つ時期は人それぞれですが、一番いいのは春で、その次が秋なのです。

冬の間、苔は乾燥した空気と凍てつく寒さから身を守りながら休眠している状態です。こんな時にまったくの初心者が苔を育て始めようとしても、まずもってうまく成長させることはできないでしょう。

苔を育ててみようと思い立ったとしても、できることならば苔が目覚めて成長しやすくなる春先までは待ってください。そうすれば、初心者によるありがちな失敗は断然少なくなることでしょう。

まずは3月から4月上旬までの間に、自分がお気に入りの苔を採集するなり購入するなりして準備しておきます。そして、最低気温が氷点下とならなくなってきたら、具体的な植え付け日を計決定するのです。

最低気温が10度くらいまでで抑えられるようになってきた時が、苔を植え付けるには絶好のタイミングとなったと考えられます。南北に長い日本のことでもあり地域にもよるのですが、苔は3月くらいになると新芽を出し始めるため、新しく植えつけた時の定着率が格段に上昇してきます。

こうして春先に苔の植え付けを行なうと、雨の多い梅雨時までに定着させることができます。湿気を好むので梅雨時は何の問題も無いと思われがちな苔ですが、悪天候が続くと光合成が充分にできないため栄養分を生成することができず、成長しづらくなってしまうことから、梅雨時までの定着が不可欠なのです。

梅雨も明け夏に入ってしまうと、苔にとって強い日ざしは成長を妨げる天敵となります。うまく育て上げるには絶妙なタイミングでの水やりが必要で、これがうまくできなければ苔に蒸れや焼けを発生させてしまいます。

春の植え付けタイミングを逃してから一年も待っているのはつらいという人には、夏だけは我慢してもらって、暑さの和らいでくる秋の植え付けをお薦めします。秋の間は、冬の寒さが到来までの間に成長が続けられる、苔にとっては大事な期間なのです。

但し、台風の多発する時期に入ってしまうと、梅雨時と同様の問題も出てきますので、天気予報にはアンテナを張っておく必要があります。特に関東より西の地域においては、台風シーズンが終わるまで植え付けは待った方が良いでしょう。

苔の成長シーズンの秋も終わり、乾燥した寒い冬になってしまうと、苔は休眠状態に入ってしまいますので、植え付けのタイミングとしては最悪です。乾燥しているのなら水やりを頻繁に行なえばいいのかというとそうでもなく、かえって水が過剰になりがちなのでとても管理が難しく、苔の初心者にはお薦めしません。

以上は、苔を露地に植え付ける場合のタイミングでしたが、室内で苔玉・苔盆栽・苔テラリウムなどを育て始めるのには何の制限もいりません。苔に興味を持ち始めた時がベストなタイミングですので、さっそく苔の世界へと入って行ったら良いのではないでしょうか。