【ジャゴケ】ゼニゴケよりも大きくて同様な扱いの苔類の苔

【ジャゴケ】とは、ゼニゴケ植物門 ゼニゴケ綱 ゼニゴケ目 ジャゴケ科 ジャゴケ属に分類される、コケ植物の苔類の苔です。ゼニゴケよりも大きく日本庭園で使われますが、一般的には雑草として同様な扱いを受けています。

苔類の苔が嫌われる理由はその見た目にあって、基本的に気味が悪いというのが一番でしょう。ジャゴケにしても、漢字で表わすと「蛇苔」であり、見た目が蛇の鱗に似ているというのが一般的には気持ち悪く感じられるようです。

その葉の大きさは10センチ以上にもなりゼニゴケよりも大きく、ゼニゴケにも増してその気持ち悪さは強いかもしれません。そして、その葉は二股に枝分かれしていき、ワサワサとどんどん重なり合って増殖していくのです。

しかし、世の中には爬虫類や”ブサカワ”な生き物が好きというマニアもおり、このような人たちにはジャゴケも可愛い・美しいと感じるものなのです。ワニ革のブランドバッグを好むセレブがいるのも、これに近いところでしょうか。

ジャゴケについては、最もポピュラーな情報はその除去の仕方なのですが、中にはマニア向けなのかジャゴケの育て方というものもあります。また、ジャゴケが松葉や松茸に似た香りを放つという面もあるためか、ジャゴケを食べるという驚きの話も出てくるのです。

ジャゴケは、半日陰を好むため、低地や林床などの木々の間から日差しが漏れ差す場所を好んで繁茂しています。また、乾燥にはある程度の耐性は高いのですが、基本一般的な苔と同様に湿ってあまり日の当たらない場所であれば、人家の周囲でも生育することができるのです。

半日陰を好む性質から、室内での栽培に適していて、朝日が差し込むだけの室内で一日数時間ほどの光合成で充分栄養補給ができます。また、乾燥への耐性も高いため、蛇の鱗柄の表面が乾いてきたなと思った時に、保湿を行なうだけの簡単な手入れで済んでしまいます。

さて、ジャゴケを自分で育ててみたいという時に、それを手に入れるには購入と採集という二つの方法があります。しかし、販売されている単体のジャゴケはほとんど見られず、盆栽やテラリウムになった”出来あがり”のものだけなのです。

そこでジャゴケを採集することになるのですが、まず自生している場所を見つけなければなりません。一番の近場では民家のジメジメとした裏庭なのですが、そこに無ければちょっと山中に入ってもらって、水の流れている辺りや腐植土で覆われた傾斜地などを探してみましょう。

見つけたジャゴケは、少しでも傷みを出さないように仮根についた土ごと、マットを剥がすように採集します。仮根は葉の裏側に蜘蛛の糸のような細かく白い綿状に付いているのですが、間違ってもこれをゴミと思って取ってしまわないに注意が必要です。

ジャゴケを食べるという話は少し驚きですが、基本的に苔には毒が無いので何も不思議なことでは無いのです。ちなみに、ジャゴケには松茸と同じニオイ成分の「マツタケオール」や、松茸の香りの添加物として使われる「ケイヒ酸メチル」が含まれているとのことで、食べて旨いのではないかと期待ができます。

かなりメジャーなテレビ番組で園芸用のジャゴケを食べるという企画が行われ、「ジャゴケの酢の物」と「ジャゴケチップ」というレシピが好評を得ていました。また、マニアの中にはジャゴケの試食をやっている人もいて、ジャゴケの竜田揚げ・味噌汁・ふりかけおむずび・ペペロンチーノ・白玉・お酒・お茶などのメニューをあげています。