苔(こけ)或いはコケと呼ばれるものは、通常は苔類(たいるい)・蘚類(せんるい)・ツノゴケ類を合わせた「コケ植物」のことを指しています。そして、広い意味で言うと菌類(きんるい)と藻類(そうるい)の共生体「地衣類(ちいるい)」や、一部の維管束植物(いかんそくしょくぶつ)と藻類もこれに含まれてくるのです。
コケ植物というのは、陸上にある非維管束植物のことで、世界中に2万種くらい、日本では1,700種くらいあると言われています。ちなみに、維管束植物というのは、水・ミネラル・光合成産物を植物体内に運ぶ維管束を持っているもので、コケ植物はこれを持たない陸上植物ということになります。
苔類・蘚類・ツノゴケ類を簡単に見分ける方法としては、茎と葉の形がポイントとなります。この茎と葉が双子葉植物を小さくしたような形状の茎葉体(けいようたい)と、茎と葉の区別が無い形状の葉状体(ようじょうたい)で見分けをつけるのです。
つまり、葉状体であれば苔類かツノゴケ類であり、茎葉体であれば葉に似た部分に葉脈が無いのが特徴となります。そして、葉に似た部分に1本の主脈が見られれば、蘚類ということになるのです。
苔類は世界に8千種・日本に620種、蘚類は世界に約1万種・日本に約千種と多く知られていますが、ツノゴケ類では約400種ととても少なくなっています。このためか、コケ植物のことを蘚苔類・蘚苔植物とも呼んで、「ツノゴケ」という名称を使わないこともあるのです。
地衣類は、生育環境がコケ植物と共通する所があり、ちょっと見にはコケ植物に似てはいますが、形態的にも構造的にも全く違うものなのです。その構造の根幹はキノコと同じ菌類であり、その菌糸構造の中にシアノバクテリアや緑藻などの藻類が共生しています。
コケ植物と地衣類の見分け方のひとつとしては、その色合いがポイントとなります。コケ植物が深緑から黄緑色なのに対して、緑藻を持つ地衣類は銀色の白っぽい緑か薄い青緑、藍藻類(シアノバクテリアなど)を持てば青みがかった黒っぽい色になるため、とてもわかり易いのです。
コケ植物の分類でも新しい2009年刊の「植物の百科事典」では、苔類は「ゼニゴケ植物門」、蘚類は「マゴケ植物門」、ツノゴケ類は「ツノゴケ植物門」に分類されています。
更に、「ゼニゴケ植物門」は「ゼニゴケ綱」・「ウロコゴケ綱」・「コマチゴケ綱」に、「マゴケ植物門」は「マゴケ綱」・「スギゴケ綱」・「ヨツバゴケ綱」・「イシズチゴケ綱」・「クロマゴケ綱」・「クロゴケ綱」・「ミズゴケ綱」・「ナンジャモンジャゴケ綱」、「ツノゴケ植物門」は「ツノゴケ綱」1綱へと分類されていきます。
地衣類の分類はその形態から行なわれており、大きく「葉状地衣類」・「痂状(かじょう)地衣類」・「樹状地衣類」の3つに分けられています。
「葉状地衣類」は、コケ植物の苔類の内の葉状体のものに似ていて、地衣体の周辺から外側に成長し、不規則な雲状の形になることが多く見られます。これに対して「痂状地衣類」は「葉状地衣類」に似ているものの裏面に下皮層が無く、見分けを付けることができます。
しかし、「樹状地衣類」はこれら2種類の地衣類とはまったく違っています。こちらは”苔”とはされるもののコケ植物のように葉に似た構造体を作ることなく、すぐにその違いが判るのです。
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