【苔盆栽】小さな生命の世界が日常を劇的に変えるかもしれない!

【苔盆栽】とは、一般の樹木は使わずに苔だけで作る盆栽のことです。苔で構成された小さな生命の世界が、もしかしたらあなたの日常を劇的に変えることがあるかもしれないのです。

但し、中には普通の盆栽が一般の樹木と苔のコラボレーションがすばらしいこともあって、苔に一般の樹木をちょっと添えて苔盆栽としている場合もあったりします。簡単に考えれば、本来の盆栽では脇役となっている苔を主役にして、一般の樹木を脇役にしたものが苔盆栽と言えるでしょう。

盆栽に良く使われる苔で第一にあげられるのが「ギンゴケ(銀苔)」で、都会から田舎まで日本全国に生育し、その名のとおり銀色気味の白緑色から灰緑色をしてきれいです。

次にあげられる「スナゴケ(砂苔)」もまた日本全国に普通に生育していて、星空のような群生状態がとてもステキです。この他、「ホソウリゴケ(細瓜苔)」・「ヒロクチゴケ(広口蘚)」・「コツクシサワゴケ(小筑紫沢蘚)」・「タチゴケ(立苔)」・「コスギゴケ(小杉苔)」・「ハイゴケ(這苔)」などがあります。

では、苔盆栽を作ってみましょう。まず準備するものは、小さい鉢・鉢底ネット・2~3ミリほどの赤玉土・適量の水・ケト土・スナゴケ・コガネスゲ・篩で1ミリに揃えた富士砂

小さい鉢に鉢底ネットを敷いたら、赤玉土を鉢の6分目ほどまで入れます。一方、水で練ったケト土をスナゴケの仮根に乗せ充分に馴染ませたら、先ほどの鉢に入れます。

スナゴケの量は鉢よりひとまわりくらい多くし、ちょっと縮めるような感じで鉢に入れていった方が良いでしょう。この時注意しなければならないのは、赤土とケト土に間に隙間を作らないことで、そうすることによって苔の変色を防ぐことができるのです。

基本的にはこれだけで苔盆栽にはなるのですが、もう少し風情を醸し出すために一般の草物を添えてみましょう。例えば山野草のコガネスゲの根を半分くらい切って揃えて、手の平の上でケト土で根を包むようにしてから、鉢の片隅にスナゴケと同じように植えつけます。

一般の草物を苔盆栽に添える場合には、鉢いっぱいに苔を入れず草物の分のスペースを開けておかなければなりません。そして、草物を植え付けて残った空スペースには富士砂を入れて見た目を整えるのです。

もうひとつ、苔盆栽の例を紹介しましょう。ここで準備するものは、ケト土2~3百グラム・小粒赤玉土少々・粉状のミズゴケ少々・水適量・洋風敷砂利1個・器・鉢底ネット・稚児笹・ケヤキ・ソヨゴ・ギンゴケです。

完成イメージは、器の中心にギンゴケを貼り、その中に稚児笹・ケヤキ・ソヨゴを並べて植え付けるというものです。器はただの円形だけでなく、楕円や不定形のものにしたり、食器皿で代用しても良く、植え付ける植物もいろいろ好みで変えて見てもかまいません。

ケト土・赤玉土・ミズゴケを水でこね合わせ、ケト土に混じった植物の根などを取りながら耳たぶくらいの固さにして泥団子にします。植え付ける植物の方は、根についた土を落として、水洗いしておきましょう。

自分が作りたいとイメージした盆栽の大きさよりひと回り小さく鉢底ネットをカットし、その角は後から見えないように丸く切り落としておきます。そして、ネットを器に置いてその上に泥団子を押し付け、厚さ5ミリくらいに成形します。

ここからはセンスの問題ですが、泥団子の土台の中ほどに植物を配置し、周囲にギンゴケを貼り付けていけば苔盆栽の完成となるのです。

苔にとって良い環境は、明るい日陰と良好な風通しです。大体1日2~3時間程度の日当たりと、毎朝の水やり、できるだけ屋外に置いてあげることで、苔は元気に生育してくれます。